ブラートヴルスト・ホイスレのテラス

土曜日の午後ということもあり、渋滞に巻き込まれてしまった僕達は、車の中で過ごすこと約2時間、午後4時過ぎにようやくニュルンベルクに到着した。さっそく市庁舎の向いにあるソーセージ専門店ニュルンベルガーブラートヴルストホイスレ“Nuernberger Bratwursthaeusle”(住所:Rathausplatz 1・電話:0911-227695)に直行した。炭火で次々に焼かれるニュルンベルガーは塩胡椒がピリッときいていて美味。キャベツのワイン漬け(Weinkraut)かポテトサラダのつけ合わせが付いて6本9マルク80ペニヒ也。オリジナルをうたい文句にしているだけあって、ハンブルクでも手に入る真空パック入りのニュルンベルガーとは比べ物にならないほど美味しい!キャベツの酸味も絶妙で、何本でも食べられそうで困ってしまった。このニュルンベルガーにはピルス・ビールがお薦めだ。ホイスレ・レストランの中央にドーンと炭火焼き厨房が配置されており、炭火焼き職人(なぜかアジア系)が手際よくニュルンベルガーを焼きあげていた。この他のお薦めニュルンベルガー屋さんは、創立1304年(世界最古の炭火焼きソーセージ屋さん!)のツム・グルデン・シュテルン Zum Gulden Stern(住所:Zirkelschmiedsgasee 26・電話:0911-2059288)である。
ビール三昧・ソーセージ三昧を満喫した私達は、食後の散歩を兼ねてカイザーブルク城への坂道を登った。このお城は12世紀に基礎が築かれ、15〜16世紀に現在の形になったという。ここから見下ろす街の眺めは素晴しかった。

ニュルンベルクの街の中心部(旧市街)は、約5kmにわたる城壁で囲まれたドイツ中世の面影をとどめた美しい古都である。その歴史は大体10世紀頃までさかのぼるといわれるが、14〜15世紀の黄金時代はルネッサンス、とくに学術や美術、音楽の面でこの古都の果たした役割は大きい。代表的な中世の大画家アルブレヒト・デユーラー(旧ドイツ紙幣の肖像画はすべて彼の作品である)が1509年から彼が亡くなる1528年まで住んでいた家がAlbrecht Duerer Hausで、内部に残されている炊事場などから当時の生活様式がうかがえて興味深く、デユーラーの作品の原画や複製などを集めた博物館にもなっているので是非訪れて欲しい。また、あまり知られていないが、世界最初の地球儀を作ったといわれるマルテイン・ベハイムもここニュルンベルクの出身である。オペラでは、リヒャルド・ヴァーグナー作の「ニュルンベルクのマイスター・ジンガー」は世界的に有名で、主人公のハンス・ザックスはこの街に実在した靴屋さんであり詩人だった。

さて、城壁で囲まれた旧市街地を後に、私達は次の目的地フランクフルトへ向かった。幸い、アウトバーンは思った程の混雑はなく、20時頃にはフランクフルト市内にある友人宅に到着した。友人とは、取材班のM氏の旧知の友であるヨーコ(ドイツ滞在10数年)と御主人のペーター(ドイツの化粧品会社に勤務)である。荷物を降ろすと、ゆっくりする暇もなく、ヨーコ&ペータが推薦するイタリア料理店「リストラント・サルディーニャ」(住所:Fahrgasse 84 ・電話:069-13376779)へ食事に出かけた。
今日は朝からビールとソーセージ三昧だったので、お腹が空くか少し心配だったが、レストランに着いたらしっかり空腹で一安心。
このイタリア料理店“Ristorante Sardegna”は、サルディーニャ島出身のシェフが、マンマから受け継いだ島の伝統料理を手ごろな価格で提供している。僕達は、ヨーコ&ペータのお気に入りの「スパゲティ・ボッタルガ(カラスミ)」と「イカのグリル」を中心に、前菜から、デザート・食後酒までサルディーニャ料理フルコースを堪能し、大満足だった。日本語、ドイツ語、イタリア語がテーブルの上で飛び交う楽しい晩餐会であった。

最後の晩は、ヨーコ&ペータ宅の広々としたアルトバウの一室に泊めてもらった。フランクフルト市内で、100平米以上もある天井の高いアルトバウに猫二匹と暮す贅沢な環境は羨ましい限りだ。かつてハンブルクに住んでいたヨーコ&ペータは、「フランクフルトはハンブルクみたいに湖はないし、市庁舎も立派じゃないけれど、フランスやイタリアなどの外国には近いし、日本への直行便は運行しているし、住んだら都よ!」と言っていた。フランクフルト生活をエンジョイしているようである。延々と話は盛上がったが、深夜3時にはins Bett!  Gute Nacht.

8月13日、本日も快晴! 9時過ぎに目を覚ましたら、M氏はとっくにゴルフへ出かけた後だった。この日の為にちゃんとゴルフのフルセットを用意していて、昨夜も1人だけ早く就寝していた。 確かフランクフルトのゴルファー2人と3人で7時スタートと言っていたが........タフな人である。

残りの二人は、フランクフルトに住む学生時代の友人に会いに街へ出かけた。みんなお腹が空いていたので、しゃれた若者が集うカフェレストランへ行き、卵を4個は使っていると思われる大きなオムレツなどが付いたボリュームたっぷりのブランチメニューを注文した。昼下がりの飲み物は、フランクフルト名物のアップフェル・ワイン“Apfelwein”で決まりだ。これはシードル(日本でも売っているリンゴの発砲酒)に似たリンゴ酒で、酸味が強く甘さは控えめなので、かなりさっぱりとしている。ビールがあまり好きでない私達の友人は、安い飲み屋ではいつもコレをオーダーすると言っていた。この“Apfelwein”は残念なことに、フランクフルト以外の街で購入する事は難しいのだ。ハンブルクでも飲めれば良いのだが.........しかし我が街にはアルスターヴァッサー“Alsterwasser”(ビール&レモネード)があるので、それで我慢する事にしよう。

今回のフランクフルト滞在は、街の観光ではなく、友人達との再会が目的であったので、飲んで食べて喋って終わってしまった。しかし、フランクフルトにもゲーテハウスやレーマー広場など観る所は沢山ありますので、またの機会に報告しますネ!

午後4時30分、ヨーコ&ペータや学生時代の友人に別れを告げ、フランクフルトを出発した。運転手は今日は1名のみ。M氏は後部座席ですでに爆睡状態だ。アウトバーンをひたすらハンブルク目指して北上すること約5時間、途中少し渋滞気味の箇所があったが、夜10時前にはハンブルク市内に到着した。今回は3泊4日で2000キロというハードなスケジュールだったが、とても充実した楽しい旅だった。
無事に「ドイツ横断2000キロの旅」を終えた記念に、日本料理店“北海”で軽い食事と日本酒で打ち上げをして解散となった。
お疲れ様〜!

〜 編集部より読者の皆さんへ 〜

ハンブルクは確かに、ドイツ観光のハイライトであるミュンヘンやライン川周辺から遠く離れていますが、その気になれば週末プラス数日でドイツ国内旅行が楽しめます。私達取材班のように、ちょっとの計画性と体力・気力があれば、カップルでも御家族でもどなたでも快適に旅することができるでしょう。

これが名物ニュルンベルガーソーセージ、見た目は悪いが味は最高!
ウエイトレスさんも良く働いてます
Frauenkirche=聖母教会と中央市場
1352年から9年の歳月をかけて建築されたホール様式の聖母教会
聖母教会名物の人形の仕掛時計。毎日12時になるとカール4世に忠誠を誓う7人の選帝候の像が現れて、回りながら時刻を告げる。これは必見です!
オモチャの博物館で購入出来るブリキのオモチャのポスター(1890年〜1930年)
旧市街地で逢った街のサッカー少年達。

1896年創立のアップフェルワイン専門店。ツア・ショーネン・ミューラリンのテラス入口
アップフェルワインが入った陶器
Zur Schoenen Muellerin
住所:Baumweg 12
電話:069-432069